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ハリー・ポッターと闇の姫君

第11章 【4人目の代表者】


「このような事態が起こるとは儂も予想外じゃった。しかし『炎のゴブレット』から名前が出てきた限り、ハリー・ポッターは競技に出る規則になっておる。これは決定事項じゃ。皆は選手達にあらん限りの応援をし、その活躍を期待するよう。以上じゃ。それでは皆、パーティはこれで仕舞いじゃ。お休み」

 ダンブルドアはそれだけ言うとサッと立ち上がり、マクゴナガル先生、スネイプ先生、マダム・マクシーム、カルカロフ校長、クラウチ氏、バグマン氏を連れて選手達が控えている部屋へ向かって行った。

 4人目の代表選手だなんて聞いたことが無い、と誰もが口にした。ダンブルドアのあれだけの説明では納得できない者が多数を占めた。
 しかしハリーに同情的な意見もチラホラみられた。死者が出るほどの競技にわずか14歳の少年が立ち向かわなければならないのだ。特にハーマイオニーは心配のあまり、頭を抱えながら「きっとこれは何かの間違いよ」と繰り返していた。

「ねえ、貴女も怪しいと思わないクリス?」
「えっ?あ、あぁ……そうだな」
「きっとこれは罠よ、誰かがハリーをはめようとしたんだわ!」
「……僕はそうは思えないな」

 重みのある声が、ロンの口から洩れた。大広間から談話室へ向かう最中、ロンはずっと下を向いたままだった。他のグリフィンドール生はお祭り騒ぎなのに、ロンだけがまるでお葬式の様にうなだれていた。

「ロン、彼方何を言っているの?」
「ハリーは年齢線を出し抜いて『炎のゴブレット』に名前を入れる方法を知っていたんだ!知っていて僕達に教えてくれなかったんだ!!」
「ロン!馬鹿な事言わないでちょうだい!どうしてハリーがそんな事すると思うの?そんなことしたってハリーには何の得も無いのよ!?」
「何の得も無い?はっ、笑っちゃうね。優勝杯を手に入れれば、一躍ヒーロー、おまけに1千ガリオンだ!誰だって欲しいと思うだろう?」
「あっ……彼方!それでもハリーの親友なの!?」
「親友だったら年齢線を超える方法を教えてくれたって良いのに!皆してハリー、ハリー、ハリー!そんなに手柄が欲しいのかよ!!」

 バシ!っとハーマイオニーがロンの頬を引っ叩いた。ロンは呆然として、叩かれた頬に手を当てている。ハーマイオニーは震えながら、真っ赤になる位グッと唇を噛みしめてこう言った。
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