• テキストサイズ

ハリー・ポッターと闇の姫君

第8章 【対戦校のお出迎え】


 大きい、ハッキリ言って説明しようがないほど大きい。こんな大きな人ハグリッド以外見た事が無い。もしかしたら親戚なのだろうかと思うほど、出てきた女性は大きかった。確かにこの体格ならこのペガサスの大きさも馬車の大きさも頷ける。

「これはこれは、マダム・マクシーム」

 ダンブルドアが馬車から出てきた巨大な女性に近づいた。そしてその大きな手を取ると、身長差から腰も屈まず手の甲にキスをした。

「長旅、お疲れであろう。良くこのホグワーツまで来てくださった」
「お久しぶりデス、ダンブリードール。おかわりありマセンか?」
「お蔭さまでこの通りピンピンしておるよ」
「紹介しマス。私の生徒たちデス」

 巨大でインパクト十分な登場をしたマダム・マクシームに気を取られてしまったが、肝心なのは生徒達だ。見るとマダム・マクシームの陰に隠れる様に、10名ほどの女生徒たちが身を寄せ合って寒さをしのいでいた。
 無理もない、ボーバトンの生徒達は皆軽装で、数名ほどスカーフを被ったり、ショールを巻いたりしているが、ホグワーツの10月末の寒さを耐えきるほどの格好はしていない。

「カルカロフはまだデスか?」
「儂の予想だと、もうじき来るだろう。ささ、皆中へ。暖を取られると良いじゃろう」
「それはありがたいデス。でもペガサス達が……」
「我が校の『魔法生物飼育学』の先生が責任をもって世話するはずじゃ。今は――ちいっと席をはずしておるがの」

 ダンブルドアの言葉を聞いて「きっと尻尾爆発スクリュートだ」と、何故かロンが嬉しそうに囁いた。

「でも、私たちのペガサスを預かるにはとても力がいりマス」
「御心配無用じゃ。うちのハグリッドならきっと大丈夫ですぞ」

 それでも、マダム・マクシームは心配そうな顔をしていたが、生徒達が震えているのを見て、城に入る事にした。石段を上がる最中、マダム・マクシームは振り返って気取った声でこう言った。

「言い忘れていまシタ。そのハグリッドと言う人に、うちのペガサス達はシングルモルト・ウィスキーしか飲まないといってクダサイ」
「確かに伝えましょう」

 ダンブルドアがお辞儀をすると、マダム・マクシームとボーバトンの生徒達は、フリットウィック先生と一緒に一足先に城の中へと入っていった。
/ 305ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp