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ハリー・ポッターと闇の姫君

第5章 【弾むケナガイタチ】


 翌朝、クリスは昨夜の宣言通り朝早く起きると、1番に図書館へ向かった。まず『三大魔法学校対抗試合』に出場するためには、エントリーしなければならない。クリスは齢を誤魔化す方法で、何か良い案は無いか図書館の本を端から眺めていった。
 一番良い案は、やはりフレッドとジョージが言っていた『老け薬』を使う案だ。これなら調合も簡単だし、材料も手に入りやすい。他には上級生に変身して成りすまし、エントリーする案だ。しかしこの魔法は難しく4年生のクリスでは上手くいきそうにない。後は誰か上級生に賄賂を渡し、エントリーする案だ。だがこれはばれた時のリスクが大きすぎる。
 クリスが「う~ん」と唸りながら本をめくっていると、司書のマダム・ピンスがあからさまに咳をしてクリスを追い出そうとした。時計を見ると、もう朝食が終わる5分前だ。クリスは本を元に戻すと、駆け足で図書館を後にした。

「遅かったね、また寝坊?」

 大広間について、開口一番ハリーが失礼な事を言ったので、クリスはムッと唇を尖らせた。確かに毎日クリスは寝ながら、朝食が終わる時間ぎりぎりに大広間に来て、紅茶を一杯飲むだけだが、今日はちゃんと早起きして来たのだ。
 怒ったクリスはハリーを無視して、紅茶を注ぎながらハーマイオニーから手渡された時間割に目を通した。

「1限目は『薬草学』かぁ……それに午後は2限続けて『占い学』……最悪だ」

 クリスは『薬草学』と『占い学』が大嫌いだった。『薬草学』では、ローブが土まみれになる作業が延々と続いて、お嬢さま育ちのクリスには向かない授業だったし、『占い学』ではムッとするような暑い部屋で、これまた毎回不吉な予言を聞かされるのだ。
 しかも『占い学』の教授、トレローニー先生はハリーが大のお気に入りで、いつもハリーが如何に悲劇的に死ぬかを予言するのが大好きだった。

「良いじゃない、2限目に『マグル学』があるわ」

 クリスの時間割を覗き込みながら、ハーマイオニーが言った。本当なら彼女も一緒に『マグル学』を取っていたのだが、『タイム・ターナー』という時間をさかのぼる道具を使って、1時間に3つもの授業を無理矢理取るという無茶がたたり、結局『タイム・ターナー』を使ってまで授業をとる事を辞めてしまったのだ。
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