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ハリー・ポッターと闇の姫君

第30章 【指し示す者】


「――では皆、選手達に激励を!」

 ダンブルドアの声に応えるように、ハリー、セドリック、フラー、クラムの4人が立ち上がる。と、割れんばかりの拍手が巻き起こった。あちこちのテーブルからピーピー口笛を吹いてはやし立てたり「頑張れよ!」と言った声援が聞こえてくる。
 遂に始まるのだ、最後の課題が。ハリー達選手の背中を見送りながら、クリスの心臓もドクドク音を立てて昂ってきた。

「それではグリフィンドールの皆さんは私に着いてきて下さい!」

 はやる気持ちを抑えながら、マクゴナガル先生の声に従って、グリフィンドール生は並んで大広間を出た。
 そうして向かった先のグラウンドでは、先日見た時よりもはるかに成長した6メートルほどの生垣がそびえ立ち、生徒達の感動と興奮を煽りたてた。
 確か、これから始まる最後の課題は、迷路のはずだ。但しただの迷路ではないだろう。必ず何か仕掛けがしてあるはずだ。それを想像するだけで胸がワクワクする。

 ほどなくして、審査員の先生方が入場してきた。バグマン氏は満面の笑みであちこちに手を振りながらスタンド席に入って来た。そして魔法で声を拡大すると、グラウンド中に聞こえる大きな声で叫んだ。

「レディース・アーンド・ジェンドルマン!!間もなく『三大魔法学校対抗試合』の第三課題にして最後の試合が始まります!!得点は同点で1位のハリー・ポッター&セドリック・ディゴリー!!そして2位はビクトール・クラム!そして3位はフラー・デラクール!」

 選手達の名前が呼ばれると、爆発的な拍手と歓声があちこちで巻き起こった。ロンが隣りでハリーの名前を叫んでいる。クリスは胸の前で手を組みながら、心の中でハリーとセドリック2人を応援していた。

 ハリーとセドリック、どちらが勝ってもホグワーツの勝利だ。クリスの胸は誇らしい気持ちでいっぱいだった。ハリーでも良い、セドリックでも良い。どちらかが勝ったら、ゴールに駆けつけて、そして――。
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