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ハリー・ポッターと闇の姫君

第25章 【unhappy Easter】


 待ちに待ったパーシーからの返事は、イースター休暇最終日にウィーズリーおばさんのお手製チョコレートと一緒に送られてきた。ハリーとロンとクリスのチョコレートは手の平よりも大きく、中には甘いヌガーがたっぷり入っていた。
 クリスにはチャンドラーからのチョコレートも送られてきていたが、ハーマイオニーに見つかるとまた煩そうだから3人でこっそり食べた。
 また、ハーマイオニーはこれまでにない悲しいイースターを送る事になった。なんとウィーズリーおばさんから送られた卵は、鶏の卵ほどしかなかったのだ。

「ねえ……彼方のお母さん、もしかして『週間魔女』を読んでる?」
「うん。料理のページを見るときにね」
「……そう」

 がっくりと肩を落とすハーマイオニーを見ながら、ロンは口の周りをチョコレートでベトベトにしていた。

「それより、パーシーの手紙を見て見ようよ」

 ハリーは話題を切り替えようと必死だった。パーシーの字は綺麗だが、どこかお高くとまって冷たい感じがしていた。

【ロンへ】
 お前も十分わかっていると思うが、今魔法省は大変忙しい上に『日刊預言者新聞』がどこからかハエの様に飛び回っていて、とても苦労させられている。クラウチ氏はこれまで働き詰めだったので、当然しかるべき休暇を取っているに過ぎない。お姿は拝見していないが、毎日手紙で支持を貰っている。僕は自分直属の上司の筆跡位簡単に見分けられるし、悪いがお前たちの馬鹿な探偵ごっこに付き合っている暇はない。分かったらこれ以上僕の手を煩わせないでくれ。
 ――PS.ハッピー・イースター パーシーより――

「なんだかムカつく文章だな」
「パーシーのやつッ!!」

 怒りに任せて、ロンが手紙をクシャクシャにして丸めて捨ててしまった。それをハリーが慌てて拾った。

「駄目だよ、一応シリウスに返事があった事を伝えなきゃいけないんだから」
「だがその手紙に情報があったか?」

 クリスのキツイ問いに、ハリーは押し黙った。ハーマイオニーも異を唱えない。手掛かりは無し――いや、元から手掛かりなんてモノは存在しなかったのかもしれない。
 しかし4人で話し合った結果、もしかしたらシリウスなら、何か良いヒントを得られるんじゃないかと言う4人の微かな希望を頼って、この手紙は今度食料を届ける時、一緒にシリウスに届けることにした。
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