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ハリー・ポッターと闇の姫君

第24章 【クラウチの息子】


「でもお嬢さま、それにお坊ちゃま方!これがホグワーツの屋敷しもべ全体だとは思わないでいただきたいのです!ウィンキーはただの恥さらしでございます!!」
「恥さらしなんて!!ウィンキーはまだここの生活に慣れていないだけよ!」
「それが間違いなのでございます!屋敷しもべというものは本来、使えるべき主人がいて住むべき場所があるなら、そこに従事し、生活に慣れる暇など持たないのでございます!」
「馬鹿げてるわ!!」

 遂にハーマイオニーがキレた。これは大荒れが予想されると思ったロンとクリスは、巻き込まれない様に端の方に避難した。

「皆良く聞いてちょうだい!あなた達は洗脳されているの。悪しき古い習慣に縛られているのよ!皆普通の人間と同じようにお給料をもらって、ちゃんとした服を着て、お休みももらって好きな所で働く権利があるのよ――ドビーを見てちょうだい!!」
「お嬢さま!ドビーと我々を一緒にしないで頂きたいのです!!」

 ドビーは急に居場所を失ったかのようにモジモジし始めた。今や厨房中の屋敷しもべ達が、4人を汚染物質を見る様な目で見ている。これは大失態だ。

「食べ物のご用意が出来たのでございます!」

 肉や果物やパンが沢山入ったバスケットを、1人の屋敷しもべがハーマイオニーに押し付けると、そのまま10人もの屋敷しもべが力ずくでハリー、ロン、クリス、ハーマイオニーを厨房の外に追い出した。ドビーが名残惜しそうに手を振っている。

「さようなら!!」

 そして乱暴に挨拶をすると、思いっきりドアを閉めて、やがて厨房の入り口は元の絵に戻ってしまった。

 それからロンとハーマイオニーの口喧嘩が始まった。ロンは「もうウィンキーの話しを聞きに厨房に行けなくなった」と言っていたが、ハーマイオニーは「ただの食料目当てでしょ!」と散々馬鹿にしていた。
 2人の口喧嘩に飽き飽きしたハリーとクリスは、口論を止めようともせず、2人だけでシリウスに食料を届けるため静かにふくろう小屋へ向かった。
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