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ハリー・ポッターと闇の姫君

第21章 【Look for it】


 ハリーが“その事”について教えてくれたのは、2限目の呪文学の授業中だった。今日は『呼び寄せ呪文』の反対で『追い払い呪文』を勉強していた。この呪文はコントロールが難しく、万が一を考え、フリットウィック先生は生徒にクッションを使って呪文の使い方を教えた。
 ハーマイオニーやハリーは所定の場所にクッションを追い払ったが、クリスやロンは中々うまくいかず、窓にぶつけたり箱を通り越して黒板にぶつけたりしていた。

「第2の課題はもう分かったんじゃなかったの!?」
「さ……最後の仕上げに取り掛かってたんだよ」

 嘘をついていたハリーを、ハーマイオニーが厳しく問い詰めた。しかし肝心なのはそれではなかった。
 昨夜ハリーは卵の秘密を解くため、セドリックに教えてもらった通り、監督生専用のお風呂に行ったらしい。そこで帰り道“奇妙な事”が起こったと言うのだ。

 そう、ハリーが『忍びの地図』を開いていると、スネイプの研究室に、なんとクラウチ氏の名前があったと言うのだ。
 知っての通り、クラウチ氏はパーシー曰く病気で仕事を休んでいると言っていたし、ダンス・パーティにも来なかった。なのに何故夜中にこっそりとスネイプの研究室にいたのか――その事に気を取られて、ハリーはマヌケにも騙し階段にスッポリと足がはまって金の卵を落としたというのだ。
 もちろんその衝撃で、あの耳をつんざく金切り声が、廊下中に響き渡ったのは想像に難くない。

 おまけにその音を聞きつけてやって来たのは、フィルチとスネイプ、そしてムーディ先生の3名だったのいうのだから、流石に透明マントを纏っていたハリーも冷や汗をかいたという。

 間一髪のところで、ムーディが機転を利かせてハリーを助けてくれたらしい。しかし不思議なことに、ムーディはハリーが夜中に出歩いている事より、スネイプに興味を持ったようだったと、ハリーは語った。

 ムーディは、まるでスネイプがハリーを亡き者にしたいと思っているかの如く語った。スネイプは否定したが、ムーディはあまり信じていないようだった。

 それからフィルチとスネイプは自室に戻り、ムーディ先生が騙し階段に足を取られて動けなくなったハリーを助けると、傍に落ちていた『忍びの地図』に大変興味を持ち、少しの間貸してほしいと言って、地図を持って帰ったというのだ。
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