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ハリー・ポッターと闇の姫君

第14章 【Shall We Dance?】


 それからマダム・ポンフリーにハリーの肩の治療をしてもらうと、4人はそろって得点を見に行った。ハリーの得点は9点、9点、8点、4点と、誰が見ても今回の課題はハリーが最高得点を取ってもいいはずだったのに、狡いカルカロフの所為で1位にはなれなかった。それ見て、ロンが憤慨した。

「絶対ハリーが1位だったのに!あのクソカルカロフの野郎!!クラムには卵を潰したのに10点もあげたくせに!!」

 しかし、ハリーはあまり気に留めていない様だった。4人で久しぶりに集まってはしゃげる事に、喜びを感じている様だ。
 それはクリスも同じだった。あんな恐ろしいドラゴンに立ち向かって、見事課題をクリアしたのだ。命あっての物種とはよく言うが、ハリーが生きてくれている事に本当にホッとした。
 だがただ一人、ハーマイオニーだけは来たる第二の課題に、もう頭のスイッチを切り替えている様だった。

「第一の課題がこれだけ危険だったのよ。第二の課題の事を考えるとゾッとするわ」
「ハーマイオニー、もう第二の課題の事を心配しているのかい?3か月も先の事だぜ?」
「あら、ムーディ先生も言っていたじゃない“油断大敵”そんな事じゃいつか足元をすくわれるわよ」
「君、いつからムーディ先生の信者になったの?」

 談話室への道を歩きながら、4人はもういつもの4人に戻っていた。まるでこの数カ月4人がバラバラになっていたのが嘘みたいだった。『太った婦人』の肖像画の前に4人並ぶのも、まるで昨日の事の様だった。

「ボールダーダッシュ!」

 合言葉を言うと、既にワインで一杯やってほろ酔い気分の『太った婦人』の肖像画が開いた。ハリーが談話室の穴に手をかけた瞬間、複数の腕がハリーを引っ張り上げ、英雄の帰還を拍手とクラッカーの雨嵐で出迎えた。アンジェリーナやケイティやアリシアはハリーの頬にキスをして、熱烈な歓迎ぶりを見せた。

「良くやったぜ、ハリー!!」
「お前って奴はマジで天才だよ!!」

 双子のフレッドとジョージがハリーの肩に腕を回して抱きついた。ロン、クリス、ハーマイオニーの3人は分かっていたとはいえ、この熱狂ぶりに、流石に開いた口がふさがらなかった。
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