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ハリー・ポッターと闇の姫君

第13章 【ほどけた紐】


「なんだって!?ハリー、もう1度言ってくれ」
「だから、昨日の夜中にシリウスが教えてくれたんだ、カルカロフが昔『死喰い人』だったって」
「そうじゃない、その前だ!第一の課題が何だって!?」

 それはホグズミードに行った翌日の事だった。ハリー、ハーマイオニー、クリスの3人は、図書室の隅でコソコソ内緒話しをしていた。談話室だとロンの目があるので話せないが、ここでなら3人そろって話が出来る。と言っても、ロンもクリスが居ないと分かると、すぐ不機嫌になるので長居は出来ないが。
 ハリーはため息まじりに同じことを繰り返した。

「だから、ドラゴンを相手にするんだ。チャーリーが言うには、倒すんじゃなくて上手く出し抜くだけだって言ってたけど――」
「出し抜くって、ドラゴンを相手にか!?いくらなんでも無謀すぎる!ハリー、棄権するんだ!」

 声を潜めながらも、クリスは真剣に力強く言った。しかしハリーは首を振った。

「無理だよ……魔法契約で競技に参加しなくちゃいけない。――シリウスは何か簡単な呪文でドラゴンを抑え付ける事が出来るって言っていたけど……」

 談話室の暖炉を使ってシリウスと密会をしている最中、まるで図ったようにロンが現れて、肝心の方法を聞くことが出来なかったとハリーが言った。その所為か、2人はますます距離を置いていた。
 しかしこうしちゃいられない。たった14歳の見習い魔法使いに、ドラゴンを相手にさせるなんて死ねと言っている様なものだ。
 クリスは目が覚めた気分だった。ハリーはゴブレットに名前を入れていない、これはムーディ先生が言っていた通り、誰かがハリーを死を願って仕組んだ罠だ。

「とにかく、目の前の目的はドラゴンをどう出し抜くかだわ。ムーディ先生やダンブルドア校長先生がいる限り、カルカロフもそう簡単には手出しできないでしょうし」

 クリスとハーマイオニーは同意見だった。とにかく数日後の第一の課題をどうするかが問題だ。3人は役に立つ魔法があるか、早速図書館で片っ端からドラゴンに関する本を探してきて机の上に置いた。しかし役に立つ魔法どころか、ドラゴンの生態やドラゴンの凶暴性を記した本ばかりだった。
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