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ハリー・ポッターと闇の姫君

第2章 【variation】


「それで?何の用だドラコ」
「用がなくては来ちゃいけないのかい?」
「そう言う意味ではないけど、お前の事だ。どうせ何か自慢しに来たんだろ?」

 そう言うとドラコは心外そうに、ちょっとムッとした顔をした。

「まあ、君に聞かせたい話しを2、3もってきたのは確かさ。でもその前に買い物に行かないかい?今年の学用品はまだ買っていないだろう?」
「まあ、まだだけど……」
「それじゃあ決まりだ!早速行こう!!」

 言うが早いか、ドラコはさっさと部屋を出て階下へと行ってしまった。クリスは簡単に身支度を済ませ、ホグワーツから送られてきた買い物リストと金庫の鍵を持ってドラコの待つ応接間へ向かった。応接間ではもう暖炉に火がたかれ、暖炉の傍のソファーにドラコがそわそわしながら座って待っていた。

「待たせたな、ドラコ。それじゃあチャンドラー、留守を頼む」
「よし、それじゃあ行こう」

 何故か上機嫌なドラコは、暖炉の傍にあった壺から煙突飛行粉をつかんで暖炉に放り投げた。そして「ダイアゴン横丁!」と叫んで、エメラルドグリーンの炎の中に消えていった。クリスも同じように煙突飛行粉を投げ入れると「ダイアゴン横丁!」と叫んで炎の渦の中に消えていった。

 付いた先は、魔法使いなら誰でも一度は利用した事のある『漏れ鍋』というパブだった。ここがマグルと魔法界の境目でもある。そしてダイアゴン横丁に行くにはまずここに来なければならない。
 クリスはパブの店主のトムに軽く挨拶をしたが、ドラコはツンと顔を背けた。クリスは「愛想が無い」とドラコを小突いたが、ドラコは「あんな奴に愛想良くしてどうするんだ」と言い返した。
 そしてパブを通り抜け、中庭に出ると杖でレンガを突いた。するとレンガがゆっくりと動き、見事なアーチを作り出した。ここから先がダイアゴン横丁である。

「さっ、行こうクリス!」
「待った、まずはお金を下ろさないと」
「グリンゴッツか。まあ良い、行こうか」

 てっきりグリンゴッツのトロッコが嫌でついてこないと思ったクリスだったが、ドラコはグリンゴッツまで付いてきた。グリンゴッツのトロッコは常識では考えられないスピードと縦横無尽に走る事で有名で、あまり好んで乗る人はいない。それなのに、今日のドラコはいったいどうしたんだろう。
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