第4章 体育祭
「…おぉっ…。」
私は珍しく、早起きをしました。楽しみにしていることもなかったけど、なぜか早起きができた。
「よっしゃ!今日は私が春樹を起こしに行ってあげよう…!」
そう呟き、急いで制服に着替えた。
「あら、早いのね、おはよう。」
「おはよう。」
「じゃあ、行ってくるよ。」
「いってらっしゃい、気をつけてね~。」
いつもお父さんは出るのが早い。私が起きる時にはもういない。
「はい、朝ご飯、ちゃんと食べて。」
「…い、いただきます…。」
急いで口に詰めこみ、春樹の家へ…。
「あら、菜月ちゃん、おはよう。」
ドアを開けようとしたとき、ちょうど春樹のお母さんが仕事に行く時間だったらしく、はち合わせ。
「あ、おはようございます。」
「ゴメンね、春樹まだ寝てるの。」
「いえ。起こしに来たので。」
「あら~!ゴメンね~!ありがとう!じゃあ、行ってくるわね。」
「はい、いってらっしゃいです!」
春樹のお母さんは、いつも私が春樹に起こされていることを知らない。
部屋に入ると、お腹を出したまま寝ている春樹の姿。
「春樹、起きて。」
「…ん…っ…。」
目をこすったまま起き上がった。
「はよ……何…今日…なんかあんの…?はえーじゃん…。」
「早起きした。」
「…偉っ…今…何時?」
「7時になったばかり。」
「早っ…ちょっと…顔洗ってくる…。」
「うん。」
私もリビングに行った。
「うわ…。」
「…?」
「……ピーマン…。」
どうやらお弁当の中にピーマンの肉詰めが入っていたらしい。小さい頃から、どうしてもピーマンだけは克服できないらしい。