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不良君のおきにいり

第1章 最悪最凶


「お疲れ様でした。」

「お疲れ様でした〜。」


バイトが終わった。今日は光太郎と2人でバイト先を出た。


「おつかれ。」

「お疲れ様。」

「…菜月、あのさ」

「菜月、おつかれ。」

「!…春樹。…あの女の人は?」

「帰った。」

「!…あの状態のまま?危ないって!」

「彼氏が迎えに来た。帰るぞ。」


私の腕を掴み、歩き出した春樹。


「菜月、またあとで連絡する。」

「あ、うん。」


光太郎は私に言ったあと、歩いて帰って行った。


「…アイツ誰?」

「は、春樹…手…痛い…。」

「…」


掴んでいた腕を離すと、春樹は止まった。


「あの人は、バイト先の後輩で、同い年の他校の子。」

「あんなに近づく必要はねぇんじゃねぇの?」

「近づくって…そんな近くなかったよ?」

「…とにかくアイツには近づくな。」

「無理だよ、そんなの。」


私は歩き始めた。後ろから春樹がついてくる。


「アイツ、お前に好意持ってるからダメ。」

「!…そんなわけないじゃん。」

「あんの。」

「ないって。」


すると、春樹は諦めたのか、黙ってしまった。


「そっちこそ、あの女の人は誰?」

「友達。」

「…」


友達であんなにベタベタするのだろうか。


「!…」(もしかしたら春樹…あの人と付き合っちゃうんじゃ…!?)


あの人に勝てる要素がない。胸だって色気だって、化粧だって…。

私は春樹を見つめた。


「…何?」

「…あの人と…付き合うの?」

「なんで?」

「…仲良さげだったから。」


モヤモヤする。付き合う。そう言われたらどんな顔をすればいいのだろう。どんな言葉をかければいいのだろう。
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