第6章 日常
「…」
私はベランダへ行った。肌寒かった。
「…」
「フーッ…。」
「!…」
煙が見えた。
「…春樹…?」
「…菜月?」
「!…な、なんでこんな早くから起きてるの?」
「さぁ?起きてるっつーか、寝てねぇ。」
「な、なんで…。」
「…関係ねぇだろ。寒ぃんだから風邪ひくなよ?俺もう部屋入るわ。」
顔が見えなかった。タバコを吸っていたらしい。
「ま、待って…!」
「…何?」
「っ…あ…あの…ね…。」
「…」
「っ…す……す…」
「あのさ、無理して言わなくていいから。」
「!…」
「……もう、お前も無理して俺と一緒にいなくていいから。」
「…え…?」
「…じゃあな。」
音がして、ドアが閉まった。
「…なん…で…?」
わからなかった。
どうして?
どうして…そういうことを言うの?