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金木犀

第1章 金木犀の咲く頃


今年も金木犀が咲く季節になった。

「今年も綺麗に咲いたね。」

その小さな花に触れる。

フワリと金木犀独特の香りが風にのって香ってくる。

「本当にいい香り。今年は雨降らないといいけど。」

雨が降らないように願ってはいるが、雨が降った時の香りを惜しむことなく潔く散っていく姿も綺麗だと感じる。

毎年のことだがこの矛盾する思いに思わず笑ってしまう。

「ま、とりあえず今年はなるべく長く咲いててね。」

お願いするようにもう一度小さな花触れた。




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