第32章 夜を独り占め 〔膝丸/R18〕
痛くないか表情を見ながら、揺する腰の動きを段々と激しくしていく。
肌のぶつかる乾いた音と先程から聞こえる水音と、俺と主の荒い息や喘ぎが混じりあう。
互いの全てを互いに見せつけあって、そして、俺たちは絶頂へ向かう。
「…うぁ…ひざま、るぅ…も、だめ…っ…」
「お…れも、だ…い、っしょに…イこ、う…」
俺は主の腰を爪を立てんばかりに掴み、激しく自分を打ち付けていくと全身を震わせる主がからだを突っ張らせてのけぞるのを見て、俺も最奥へ己を穿ち自身の欲を放った。
荒い息を吐きつつずるりと自分のものを抜くと、溢れた欲と愛液が血と混じって溢れ出る。
「雅…からだは大丈夫か…?」
俺はティッシュで汚れた下半身を拭き取りつつ、ぐったりしている主に声を掛けると、「…ん…だいじょ、ぶ…び、くりした…だけ…だから…」と小さい声で戻ってくるのが、恥ずかしそうに顔を背けていて愛らしい。
あぁ、駄目だ…そんな表情見せられたら…俺はまた…
俺はすっかり煽られて、また昂ったものを主の腰に押し付けると、主は顔を赤くしてこちらをうっとりと見やる。
「もう一回…したい…」そう言うと、主は俺の背中に手を回してきて微笑んだ。
夜の主をこれからは独り占め出来るだろうに、俺は主を俺のものに出来たのが嬉しくて、今迄の我慢をここぞとばかりにうっぷんを晴らすかのように主を奪い尽くす。
明日、主が動けなくて、他の刀たちから何か言われるかもしれないだろう。
でも主の甘い声、蕩けた表情、くねる妖艶な姿態を見たら理性が吹っ飛んでしまって、今宵もきっと独り占めしまうのだろう。
<終>