第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
あくまで気付いていない大和守に、雅は苦笑する。
「もぅ…わかってないな…安定。あのね、その、貴方がかっこいいって初めて気付いたの。今迄ただの弟のように思っていたけれど…その…あんなにおとこっぽいなんて思わなくて…」
ぷいと横を向いて雅が恥ずかしそうに言うと、大和守はようやく自分が審神者から今迄思っていたのとは違う印象だった、と言われている事に気付く。
「雅…それは…」
がばり、と大和守は雅に近寄り雅の顔を至近距離で覗き込む。
「弟じゃなくなったって事?」
すぐ真横から覗き込まれ、更に念押しされて雅は益々恥ずかしいのか、顔を赤くしてそっぽを向きながら言う。
「そういう事だよ」
意味に気付いた大和守は、途端ぎゅっと雅を抱き締める。
「やす…っ!」
驚く雅の唇は自分の唇で塞ぎ、ちゅ、ちゅ、とついばむように何度も口付ける。
そして、唇を離した大和守は、ちょっと恥ずかしそうに雅に言う。
「また…いいかな」
「え…っ!」
はっと気付く雅の腰に、なにやら主張したものがあたるのに気付き、更に赤くなるものの、大和守の頼みに頷くしかない。
「っ…いい…よ…」
大和守は途端少年のような満面の笑みを浮かべ、そして深く口付ける。
その少年のような表情から一気に代わるおとこの手管と豹変具合に、雅は戸惑いながらもずぶずぶと溺れていく。
『加州にからかわれるかも…でも良っか…今は安定の事だけ…』
雅は目をそっとつぶると、全身で大和守を受け止めてからだを震わせるのだった。
<終>