第1章 夢主設定
元々は戦争孤児。死にかけの状態で王宮へ連れてこられ、幽世の研究のため贄として使われる筈だったが奇跡的に人の身のまま幽世の力を得た。巨大過ぎる力を恐れた先王はウェールズ家に逆らえぬよう、幼い少女に呪いを施した。
化物として扱われていた少女を実の息子達と同じ様に導き、叱り、愛してくれたヘルツェロイデを今も敬愛していると同時に、助けられなかった事を後悔している。
王宮では汚れ仕事ばかりやらされており、命令を違わぬ従順さと残虐さを揶揄し『ウェールズの狗』と一部の者から呼ばれていた。
パーシヴァルがフェードラッヘに修行に出る際、半ば強引に少女を同行させた。外の世界に連れ出してくれたパーシヴァルに対して、少女はとても感謝している。
黒竜騎士団へ入団するにあたり、魔術が込められたブレスレットで見た目を男に変えていたので、ランスロットやヴェインは長い間男だと思って接していた。
パーシヴァル以外に対しては、無愛想且つ無関心だった為、黒竜騎士団時代は人付き合いが皆無。
ただ一人ジークフリートだけは些細なきっかけで女だとバレてしまい、つかず離れずのよくわからない関係を保っていた。
化物の力を以て国に仕えるジークフリートにはシンパシーの様なものを感じているが、自分でその道を選んだ彼と、そうなる他道が無かった彼女には絶対的な隔たりがあり、劣等感、同族嫌悪など複雑な感情があり素直になれない。
国王暗殺の日ジークフリートを追い掛け問いただしたが答えは聞けず、「この国を頼んだ」とフェードラッヘを託される。
ヨゼフ王の葬儀が終わるとパーシヴァルは諸国を巡る旅に出ると少女に告げる。少女はもちろん同行するつもりだったが、パーシヴァルは彼女を新たに創設される白竜騎士団の副団長に推薦し、フェードラッヘに残るよう命令した。
命令に逆らうことができない彼女は不本意ながらもフェードラッヘに残り、鬼の副団長として名を馳せた。
栄養さえ取れればいいという考えで毎食携行食を食べていた彼女に、ランスロットの取り計らいでヴェインがご飯を差し入れるようになった。
胃袋を掴まれた彼女はランスロット、ヴェインと食事を共にするようになり徐々に打ち解けていった。
ランスロット、ヴェインとの友情は彼女が初めて自らの築いた関係性なので、とても大切に思っている。