第11章 可愛くラッピングして完成です
「…ハッ!今何時!」
私はベッドから飛び起きると、ナイトテーブルに置いた時計に手を伸ばした。
トツンと手が当たって、卓上のヌイグルミが転げ落ちる。
「あっ…と、いけないいけない」
ヌイグルミを拾い上げて、時間を確かめる。
「17時!?買い物行かなきゃ!うわ〜なんでこんな時間まで寝てたんだっけ…?思い出せない〜」
さっさと着替えなきゃ。うっ、腰が重い。なんで?
「…?あっそうだ、昨日TV見てヨガを試したんだっけ。慣れないことはするもんじゃないわね」
──
「今日のご飯は、ハート型ハンバーグ!バレンタインだからね」
夜。大きなハンバーグを夫の前に出した。
「おお」
「胡椒がきいてて我ながら自信作。いただきまーす」
美味しく焼けたハンバーグに舌鼓を打っていると、夫が口を開いた。
「なんか今日機嫌いいな。何かあったか?」
「え、そう?」
「ああ」
ふーむ?
「そういえばなんかスッキリしてるかも。いっぱい寝たからかな。気づいたら夕方でさ…焦っちゃった」
「疲れてたんだろ。最近ずっと暗い顔してたし」
「そうだった?」
「ああ」
言われてみれば最近ストレス溜まってたかも。でも今は何も感じないなあ。まあストレスってそういうもんだよね。
「明後日の休み、映画でも行くか。久しぶりに」
「えっやったあ。買い物もしていい?春物買いたいなあ」
「ああ」
「やったあ」