第8章 初めての朝
「…」
なんとなく、葉月にくっついたら、葉月も、なんとなく俺にぴたって。で、なんとなく、腕、回してみたりして。その。まだハダカのままなんだけど、なんというか。…腕枕?とか、してみちゃったり…。
「…大野くん、やっぱり色黒い」
「そう?」
「うん」
…まあ、確かに黒いかもね。特に腕とかは、焼けても気にしてねぇし…。
「ていうか、葉月が白いんでしょ?」
「そう?」
「うん」
「…」
「…」
ふふって。笑い合った。
「…葉月」
「…ん」
「…好き」
「……うん…」
「ダイスキ!」
「……うんっ」
「葉月は?」
「え?」
「ねえ」
『え?』じゃないよ。
「…」
「ね~えっ。葉月は?」
「…スキ。…大好きっ!」
「ウンッ♪」
「…ふふっ」
満足そうな俺見て、くすぐったそうに笑う葉月。そのこめかみにそっとキスした。目が合って、またお互いにくすくす笑った。