第8章 初めての朝
「…だいじょうぶ?」
「…え?」
「体。どこも痛くない…?」
「あ…。ちょっと…」
「エッ。ど、どこ?」
「…腰、骨?」
「…」
コ、コシ、ボネ?
「下、硬かったから…」
「あ。そう…だよね…」
フローリングだしね、ここ。一応ラグの上だけど。結局、最後までここでしちゃって、そのまんま寝ちゃったから…。
「…そう言われると、俺もちょっと痛いかも。…コシボネ?…コシ、ボネ…」
「…」
「コシボネ…」
「何回言うんですか(笑)」
いや、なんか。響きが面白くて。つい。
って。目覚めたそばから、なんて色気のない話をしてんだろ。やっぱり残念、オレ。
だってさ。ドラマとかであるでしょ?こう…初めて二人で迎えた朝に、男がさ。『ど?俺、よかった?』とか。『昨日のオマエ、サイコーだったぜ』とか…。
~~~~無理ッ!