第14章 かみさまです。
「~♪~♪」
鼻唄まじりにいつものように振り付けを考えながらおにぎり片手にベンチに座っていた。
…地べたに座るとセナママ煩いから←←
「…ふふ、たのしそうですねぇ?」
後ろからのんびりとした声。
確か名前は…
「ぼくはしんかいかなたです~あなたはほまれですね?いつもわたるからきいてます♪」
そうだった。ぷかぷかでお馴染みの深海奏汰先輩がびしょ濡で…………ん?
びしょ濡れ!?!?
え、授業プールだったのかな?いや、それだったとしても!?服ごと濡れるのか!?!?
もうぷかぷかだから(?)しょうがないのかっ!?!?
そしてお兄ちゃんまた私の知らないところで話したな!?!?
「え、ちょ、びしょ濡れっ…」
私は慌てたカバンからタオルを出してその人をふいた。
「いくら夏場とはいえ…そんな濡れたまま歩き回ってたら風邪ひきますよ!?」
「?ぼくは"かみさま"ですからそんなことしなくてm…わわっ」
その先は言わせないようにわざと荒く頭をふく。
「……神様かなんだか知らないですけど!とにかく!これからはちゃんと拭いてくださいね!風邪引きます!」
「ふふ、面白い子ですね~?」
そう言って楽しそうにケタケタと笑う彼。
楽しそうに笑う彼の顔は年相応の笑顔だ。
「どうしました?そんなにくるしそうなかおをして…そんなかおをしたらわたるが"しんぱい"してしまいます…」
突然先輩の口から出たお兄ちゃんの名前。