第2章 ヘルズ・バレンタイン
4人は椅子に拘束されたまま食堂の全体が見渡せる壁に並ばされ、
これから何をされるのかと戦々恐々とする。
どうやらがある程度兵士を呼び出していたようで、
多くの調査兵が食堂にいた。
が、困惑げな様子をしているものの、誰もエルヴィン達を
助けようとしてこない辺り、何か根回しや命令を
されているのだと思う。
大人しく成り行きを見守っていると、リヴァイ班、ハンジ班、
ミケ班がそれぞれ協力しながら布が掛けられた大きい物を
台車で運んできた。
4つの大きい物を等間隔で置くと、が声高に宣言する。
「皆のもの、よく聞いてくれ!今宵はバレンタインデーだ。
よって私からも用意してみた。私のチョコレートは交換方式に
させて貰うので、嫌だと思ったら参加しなくて良いし
無理強いはしない。私の好物を持ってきた者には
それ相応の部位を優遇するので、交換するお菓子が
どのくらい美味しいかのプレゼンを頼むぞ!」
・・・部位?
何の話だ?
そう4人が疑問に思っていると、が台車で運んできた
大きな物体から布を全部剥がし、皆に見せつけるようにして
公開した。
それを見た4人は驚愕の余り絶句する。
目の前に並んでいる物体はどう見ても、原寸大のエルヴィン、
リヴァイ、ミケ、ハンジの姿をしたチョコレート彫刻だった。
しかも恐ろしい程に精巧で、色が塗ってあったならば
一瞬本人と間違えてもおかしくない程の出来栄えである。