第3章 爆豪と彼女のエトセトラ
「おい、クソ女」
『……』
雄英に入学して初めてのビックイベントである雄英体育祭。ここで大きな評価を貰えた生徒は、将来の道も広がる
「予選で落ちたんだってな」
『っ…!』
「ハッ、俺に生意気な口聞くようになったと思ったかが…やっぱりテメェはただのザコじゃねえか」
彼の言うことは間違ってはいない。
第一種目の障害物競争。凛にとっては有利であった。にも関わらず予選落ち。自分でも何処かいけるんじゃないかと甘い考えがあった。けれども結局は
自身の力不足が招いた結果であった
「…前から言おうと思ってたけどよぉ。いい加減、自分の力量わきまえろや。テメェやっぱり」
『ヒーローに向いてないって?…そんなの私が一番よく……』
「分かってるんだったらよぉ」
嘲笑うかのように爆豪は続ける
「……いや、分かってて何もしねえなんて終わってんだろ。何のためにここにいんだよテメェは。そんな位の気持ちだったんなら……辞めちまえ」
『……』
「ッチ!」
凛の反応がないことを見た爆豪は、舌打ちをし、その場を後にした。
凛自身も分からなくなっていた
一体自分は何の為に雄英に入った?
ヒーローになりたかったから?
その先に目指すものがあったから?
いや違う、爆豪が緑谷についてきただけだ
皆のように正当な理由などない
周りとの差は開くばかり
最近何をしようにも結果は残せず、皆の足を引っ張ってばかり
『……私って?』
何のためにここに居るんだろう?