第12章 第12話
「あっ!見て見て!松本潤よ!」
近くを歩いていた女性が大型モニターを指差していた声に、俺も思わず目を向けた
そこには新たに発売された写真集を紹介している『モデルの松本潤』がいた
「やっぱり格好いいー」
「私もうこの写真集予約したわよ」
その女性達は、キャッキャと騒ぎながら俺の横をすり抜けていった
あの日…俺がこの世界に帰ってきてから1年が経った…
あれから自宅に帰され、携帯も変えさせられて皆とも連絡が取れなくなった…
まあ…一般人の俺が芸能人の皆に簡単に会える訳ないけどな
自宅に帰ってから父さんは俺を自分の会社に就職させた
俺が帰ってから弟の修は明らかに機嫌が悪い…
本来なら自分が父さんの会社を継ぐつもりにしていたから…
…俺は別に継ぐつもりなんかないのにな…
翔「…俺…何処に行っても厄介者なんだな…」
…潤くん…会いたいな…
翔「…馬鹿だな…さっき自分で簡単に会える訳ないって思ったばかりなのに…」
本当に女々しいな…俺…