第10章 第10話
潤「しょ…」
声を掛けようとした時、翔くんは俺に背を向けて歩きだした
そして恐らく翔くんが入れ替わった場所で立ち止まり、ずっと空を見つめていた
和「…良いの?潤くん…このままで…」
潤「…ニノ…」
和「このまま翔くんに謝罪もせずに…本当に良いの?」
潤「・・・」
このまま翔くんを傷付けたまま…本当に俺は後悔しないのか?
いや…俺はきっと…
そう思っていたその時
<ゴロゴロ…>
智「雷だ…」
上空を見上げると空は黒く覆われ、稲光が走っていた
和「…落雷がきそうだ…」
…駄目だ!このまま翔くんを行かせるのは…!
潤「翔くーーーん!」
俺が叫ぶと背中を向けていた翔くんが俺の方に振り返り
翔「じゅ…ん…潤くんっ!」
俺に向かって走りだし、そしてそのまま俺に抱き付き、俺はその勢いで後ろに倒れ込んでしまった
翔「…やっぱり…帰りたくない…潤くんの側に居たいよーーーっ!」
そう言って泣き出してしまった…
潤「翔…く…」
…そして今まで翔くんが立っていた場所に…
<ドーーーンッ!>
雅「うわっ!」
雷が落ちてきた…
…『翔くん』…ごめんね…