第1章 私のこころの行方
当然、度々春日山城に長期に渡って滞在するようになれば、家臣の期待は膨らみ、特に景家は、早く茉莉花を謙信の正室にしたく、頃合いを見計らって正式な婚姻申し入れの手筈を整えようと考えていたのである。
当の本人たちは、お互いに楽しく過ごしているため、まだ、その先を特に考えることはしていなかった。
ましてや、口に出してお互いに心を通わせた訳では無いのだ、、、
だが、謙信の心の中は、以前よりも茉莉花に対する執着が激しさを増していた。
側から見ても、二人の仲睦まじい様子は本当に微笑ましく、既に婚姻を結んだかのような、その様子は春日山城に使える者たちの希望であった。