第1章 私のこころの行方
『ええ。父としては大好きでしたし、尊敬しております。
だから、父の剣術の稽古にも一緒について行っておりましたから、そのうち私も興味を持つ様になって、一緒に稽古を行うようになったんでしょうね。』
『それで、茉莉花様は今もお稽古をされているんですか?』
『ええ、、、。
それと、自分の身を守る為にも少し嗜んでいれば役立つと思っておりましたから、、、
でも、いけませんね。
下手に少し剣術ができると思うと、理不尽な状況に出くわすと、考え無しに身体が動いてしまって、、、。
謙信様に助けて頂いたことも、度々あります。
その度に、謙信様には怒られましたが、、、』
と、苦笑いをする茉莉花に紫乃は
『おそらく謙信様は、茉莉花様の行動に対して怒られたのでは無いと思います。
もう少し、ご自身を大切にしていただきたいと思われたのだと思いますよ。』
《そうでしょうか❓』
『ええ、、、
謙信様は、そういうお方なのですよ。
茉莉花様も、そうお感じになられているからこそ、こうして、春日山城にお出でになられているんだと、紫乃は思っておりますよ。』