第1章 私のこころの行方
『何故だ❓』
『私が、この先一生この身が朽ち果てるまで身も心も捧げ尽くすお相手の方は、ただ一人。
この私を、心から愛して頂ける方ではないと、、、
私は母上を見てそう強く心に決めて、本日まで生きてまいりました。
信長様にはこのようなお話は、お耳汚しにしかならないと思います。』
『、、、構わぬ、、続けよ。』
『はい。
私が物心ついた頃から、母は、毎夜一人部屋に篭り泣いておりました。
父には、数多の妾がおり家には殆どおりませんでした。
たかが一介の武士の父ですら、妾がおりますのに、国主やまして、天下布武を成し遂げられた信長様におかれましては、世継ぎ問題など当然起こる問題。
側室や妾などと言うことは当然だと頭では、理解をしておりますが心が、母の様になりたくない。
そう、叫んでおります。
幼き頃より強く決めておりました事ですので、私は、信長様が求めるような形でお側に仕える事は出来ないのでございます。
どうぞ、この私に何なりと罰をお与えください。
私の勝手で、このようなことになっております故どの様な処罰でもお受けいたします。』
そう言い、茉莉花は信長を真っ直ぐに大きな瞳で見つめて言い切った。
信長は、予想外の茉莉花の答えに少し逡巡したが、
ふと、一言。