第3章 愛運の結びまで
そして、いよいよ祝言の日となり、安土城の中は空が白む前から、女中や家臣達があれやこれやと動き回り、祝言に参列する各国の招待客達に日ノ本一の持て成しをするべく、かなりの緊張感を持って其々が持ち場で、細かなところまで徹底的な確認をしている。
そして、緊張していた所為で眠りが浅かったからなのか、いつもより早めに目が覚めてしまった茉莉花は、少し、褥の中で身動ぐと
『目が覚めたのか、、、?』
『、、起こしてしまいましたか、、、。』
『いや、、。
構わぬ。』
『緊張しているのでしょうか、、、
目が覚めてしまいました。』
『そうか、、、。
だが、今日から長丁場だ。
かなり身体には負担がかかるやも知れぬ。
辛くなれば直ぐに言うのだ。』
『はい。
大丈夫です、、、。
心配性ですね、、、、信長様。』
『当然だ。
貴様だけの身体ではないのだから、貴様が無理をすれば、腹の子にまで影響するではないか!!』
そう言いながら、茉莉花の腹を優しく撫でる。
その手の上に掌を重ねて、、、
『ふふっ、、。
分かっております。
母上も、家康も、嵐山殿も、常に側におりますから。
辛くなったら直ぐに言います。』
『それならば良い。
だが、もう少しこのままでいろ。』