第2章 運命の歯車 《信長様編》
信長は、満足げに口端が上がった、、、。
そうして、朝餉が終わり、各々が自室に戻りしばらくすると、
茉莉花の両親は信長からの呼び出しと言う事で慌てて安土城に飛んで来た。
謁見の間に通された両親は、ソワソワと落ち着かない。
茉莉花が昨日帰ってこなかったのも、信長様を怒らせてしまったか、何か無礼をして牢に閉じ込められているかもしれない、、。
あれだけ、信長様とのお見合いを拒んで居たのだから、、、。
いや、でも、見合いの翌日は楽しそうにお城に行ってくると言って出かけたのだ、、、
“何がどうなったのだ、、、❓”
と色んな悪い事が浮かんで、父親は青ざめて先程から手拭いで汗をぬぐっている。
逆に母親は、肝が座っているのだろう、全てを受け入れる覚悟ができているようだった。
一寸後、秀吉が先に入室し、間もなく此方に信長の到着を知らされ、ますますカチコチに固まっていた。