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Dearest【降谷零夢】

第8章 狙われた彼女


『……睦月さんにお礼言わないと……』
「何処か痛いところは?」
『無いわ。透も来てくれてありがとう。』

男から離れて彼女の頬に手を当てて問い掛ければ、安心した様な笑みでお礼を言われた。
……正直、お礼を言われる資格なんてない。

「(ちゃんと部屋に送ってればこんな事にならなかったんだ……。)」
「くそっ!何なんだよ!お前らは!!」
「脅迫状を送ったのはアンタだな?」
「……毛利小五郎か……そうか、アイツら依頼してやがったのか。」
「おじさん、分家の人なのに何でこんな事したの?」
「はっ。ガキには分からねぇだろうよ。葉月家は莫大な資産とありとあらゆる方面に強い繋がりがある。それを俺は欲しくて、本当だったら本家の女の婿になるつもりだった。だが……直系の女はこの化け物しかいなかった……まだガキだったし、仕方なく分家の婿に入った。」

男の言い回しに僕は激しい怒りを覚えた。
こんな男のせいで彼女は1人になって苦しみ続けたと思ったからだ。

「それで?てめぇはこの女の何だ?」
「……僕ですか?」
「やけに大切そうに触れてんじゃねぇか。恋人がいるなんて聞いてないしな。」
「僕は……」

毛利先生達と行った時、睦月さんは僕を愛の婚約者になる人だと言った。
だけど、胸を張って彼女の婚約者などと名乗る事が出来ない。
言い淀んでる僕を尻目に2つの声が重なった。

「コイツは彼女の婚約者だ。」
『彼は私の婚約者よ。』
「!」

毛利先生は幸紀に依頼料として言ってたが、まさか愛までそう思ってくれるなんて思ってもみなかった。

「婚約者だと?んな話出てきてなかっただろうが。」
『何故、貴方に言わなくちゃいけないの?だいたい私が見合いを全て断ってたの知ってるでしょう?婚約者がいるなんて言ったら貴方達、会わせろって煩いから言わなかっただけ。』
「なら、次の当主はコイツって事か?」
『それも違う。私は彼を婿として迎える気は一切ないわ。葉月家当主は幸紀……兄さんよ。』
「とりあえず、家に帰ろう。幸紀と睦月さんが心配してる。」
「俺をどうするつもりだ?警察にでも突き出すのか?そんな事したら葉月家の沽券に関わるんじゃねぇか?」

男の言う通り、分家の婿だろうが犯罪を犯したのは葉月家にとって多大なダメージだろうな。




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