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Dearest【降谷零夢】

第4章 接触


彼女は紅茶を飲んでまた喋り出す。
静かに淡々と。

『だから私は父さん達に愛されていない、私を捨てたのだと思い込む事にしたの。』

微かに笑みを浮かべて

『ただ、父さん達を恨むなんて出来なくて……何度か能力持ってる自分が悪いんだ、なんて思ったりした。』

その瞳はどこかを写しているはずなのに、俺すら写ってない。

『零に接触してくるなんて思ってなかったな。いや、いずれ接触しようとするとは思ってたけどこんな早いなんて。』

ー巻き込んでごめんね。
そう苦く笑った彼女を強く抱き締めた。

『れ、零?』
「……巻き込まれたなんて思っちゃいない。手紙が来て自分から行ったんだ。」
『でも、私と関わってたから……』
「そんなの今更だろ。愛の家に現れた時点で遅かれ早かれこうなってたと思う。」
『……あー、そうかも。』

腕の中でクスクス笑う彼女に俺も笑いが込み上げてくる。

「初めて会った時、俺素っ裸だったのに声すらあげないんだもんなあ。」
『ふふっ……内心動揺しまくってたんだよ?裸の泥棒かと思ってたし。』
「叫ばれなくて良かったよ……」
『一部始終見てた鳥が教えてくれたの。』
「その鳥に感謝だな。」
『そうだね、もし叫んでたら警察沙汰になってたかも。』

楽しげに言うが、俺からしたら笑えない。
警察目指してる奴が警察の世話になるなんてあっちゃいけない。
それが自分の世界じゃなくても。

『苦い顔してる。』
「そりゃあ、警察に捕まったらって考えれば……」
『あくまで私が叫んでたらの話でしょ?』
「そうだけど……」
『それに鳥が教えてくれなくても私は叫ばなかったと思う。』
「……それはそれで複雑だな。」
『だって、初めて零を見た時あまりのイケメンに驚きの方が勝っちゃったんだもの。』

好きな子からイケメンと言われるのは照れる反面嬉しい。
ひょいっと俺から離れてキッチンに歩く。

「愛?」
『……多分、一目惚れだったのかな。』
「え、今なんて……」
『んー?秘密。』

人差し指を口元に宛てて笑う彼女に実は聞こえていた俺は愛の口から聞きたくて後ろから抱き締めた。

「もう一度言って」
『……本当は聞こえてた癖に。』
「聞こえてないって。」
『もうっ!』

振り向いた愛の顔が赤くて俺は思わず笑ってしまった。
それが答え合わせ。





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