第5章 時の流れに身を任せ
規則正しい機械音に気付いて目を開けると、
眼前に見知らぬ天井が広がっていた。
(....?)
「...ッ...」
そして上半身を起こそうと、
力を入れる。
すると...
“ズキンッ”
鋭い痛みが太ももにはしった。
「ッ💦」
(あっ...そっか...わたし....)
牢での出来事を思い出した。
「そっか...ここは病院....」
私は、
ベッドサイドの柵に手をかけ
ゆっくり上半身を起き上がらせた。
「ふぅ...」
この起き上がり方なら、
なんとか大丈夫そうだ。
(...わたし、どれくらい眠っていたんだろう。)
ベッド横にある窓から
ふと外を見ると、
夕陽が葉を全て落とした街路樹を照らしている。
そして...細かな雪もちらついている。
(雪....)
「(´・ω・`)ん?」
あれ?おかしい。
私が倒れる日の景色は、
まだ木々の紅葉がそんなに深まっていなかったはず。