第3章 好みの女性…?
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@桃源郷
悪戯と買い物を終え、地獄への帰路へつく1人と3匹。
一匹の犬が先頭をあるく人物にすり寄った。
「鬼灯様、なんで落とし穴なんか掘ったの?」
「まぁ①アイツが大っ嫌いだから②アイツは奈落の底に落ちた方がいい阿呆だから、ですかね」
「ふーん。でもそのために6時間も穴掘るなんて凄いね!ボクも穴掘るの好きだけど、そんなに掘ってたらへとへとになっちゃうよ」
「まぁそうですね。私も今回は些か疲れました」
そこまででちょいちょい、とシロをつついたのはルリオだった。
「(おいシロ、それ以上聞いてやるな)」
「(へ?なんで??)」
次にヒソヒソ話に混ざったのは柿助。
「(おっ前わかってねーなー。この前の椿ねーちゃんの話聞いてただろ?)」
「(聞いてたよ!猫になっちゃった話しでしょ?)」
「(そうだよ。ここまでするのはアレの仕返しだからだろ?)」
「(お前もそう思うか柿助…やっぱあれだろ。自分の女をハダカにされたのがよっぽど悔しかったんじゃねーの?)」
「(え。椿さんって鬼灯様の彼女なの!?」
「(ば、バカ声がでかい!!)」
「ちがいますよ。彼女は部下です」
にゅっと3匹の間に顔を出した鬼灯。
3匹は恐怖で縮みあがった。
「まったく…何をこそこそしているのかと思えばくだらないことを」
「す、すみません」
「ねー、鬼灯様って椿さんと付き合ってるの?」
「あ、コラ馬鹿!!」
「別に付き合ってませんよ。先程も言いましたが、彼女は部下です」
「好きじゃないの?」
「まぁ、阿呆ではありますが仕事でみれば優秀なので大事にしてますよ。私、モノ持ちはいいほうなんです」
「(モノ持ち…)」
部下を所有物みたいに扱うのはいかがなもんか。
そう思った3匹だったが、口にはだせなかった。