第5章 ヴァンパイア
ー主人公視点ー
体が焼ける様に熱い。
体の中から何かが溢れ出てくるみたい………
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
震えが止まらない………
太輔「ちゃん、大丈夫?」
心配そうに声をかけてくる太輔くん。
「いゃーぁぁぁ!!!!!」
気が遠くなりそうになった途端、焼けるような熱さがすーっと引いていった。
「はぁ、はぁ、はぁ………」
私はゆっくりと顔を上げ、太輔くんを見た。
太輔「…………ちゃん?」
太輔くんは驚いた顔をした。
私を見た他のみんなも、驚いていた。
「私、変?」
みんなが一斉に首を横に振る。
「じゃあ、どうして驚いた顔をしてるの?」
無言で鏡を差し出す木村さん。
鏡を覗き込むと………
「あれ?写らない」
太輔「鏡に意識を集中して」
意識を集中して、もう一度鏡を見る。
「こう?………あっ、写った………って………これが………私?」
そこには見慣れたいつもの私ではなく、新しい私が写っていた。
太輔「ちゃん…………、綺麗だよ」
「あ、ありがとう///」
宏光「はいはい、見つめ合うのは2人だけの時にしてね(笑)」
裕太「すぐ2人の世界に入るんだから」
高嗣「暑い、暑い」
健永「コンサートの時より、ここ暑くない(笑)」
俊哉「羨ましいぞ、お2人さん(笑)」
渉「いやーいいねぇ(笑)」
「///」
笑顔のみんなに囲まれていると、これで良かったんだと思える。
やっと本当の仲間になれた………そんな気がした。