第5章 ヴァンパイア
ちゃんはニコッと笑うと、Bloodの入った小瓶を出した。
「私、あれから色々考えました」
拓哉「それで答え出た?」
「はい。私…………やっぱり………太輔くんが好きです」
拓哉「じゃあ、これから藤ヶ谷とずっと一緒にいることを選んだんだ」
「はい。私には両親も兄弟もいません。太輔くんと出逢うまでは、ちゃんとした友達もいませんでした。太輔くんと出逢ってからできた友達がみんなヴァンパイアだというなら、私もヴァンパイアになります。そうすれば太輔くんとずっと一緒にいられるし、太輔くんも苦しまなくていいんですよね」
拓哉「うん」
太輔「ちゃん、本当にそれでいいの?ヴァンパイアになったら、もう二度と人間には戻れないんだよ」
「太輔くんがいない世界に未練はないよ。太輔くんは私がヴァンパイアになるのは反対?」
正直、驚いた。
ちゃんがここまで強い子だと思わなかった。
拓哉「藤ヶ谷、女の子がここまで言ってくれてるんだから、男としてビシッと決めなきゃ」
俺は大きく深呼吸をすると、ちゃんの頬に触れた。
太輔「俺もちゃんのこと、ずっと前から好きでした。これから永遠に俺と一緒にいてくれますか?」
「はい」
俺はちゃんを強く抱きしめた。
二度と離れない様に…………
拓哉「なんか、告白じゃなくてプロポーズじゃん(笑)」
そう言って木村さんは、優しく俺達に笑いかけた。