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Vampire kiss(太輔)

第4章 過去………そして未来へ


ー主人公視点ー


太輔くんがヴァンパイア………




太輔くんだけじゃない。




木村さんも、みんなもヴァンパイア。



私だけが人間………






最初は驚いた。


けど、ヴァンパイア姿の木村さんは怖くなかった。



木村さんの話を聞いて、今でも静香さんのことを大切にしている事が凄く伝わってきた。






静香さんは、木村さんがヴァンパイアでもいいと言った。

そして木村さんも、静香さんが人間でもいいと思った。




きっと太輔くんも、私が人間でもいいと思ってくれている。


じゃあ、私は…………?





静香さんは人間のまま、木村さんを愛し続けた。


私は人間のまま、太輔くんを好きでいられるだろうか?



太輔くんには、永遠の命と若さがある。

私もヴァンパイアになれば、ずっと太輔くんと一緒にいられる……



私は太輔くんと一緒にいたいの?



考えれば考える程、どうすればいいのかわからない………




答えの出ないまま時間だけが過ぎていった。




ある日、ふと立ち寄ったお店で太輔くんが載った雑誌を見つけ、衝動的に買った。



家に帰り雑誌を見ると、そこにはいつもと変わらない太輔くんの姿があった。



私は太輔くんが好きだった。

初めて太輔くんを好きだと気づいた時、私は太輔くんの事を何も知らなかった。

じゃあ、太輔くんの事を全て知った今は………



「太輔くん………」



私はそっと目を閉じた。

浮かんでくるのは、笑顔の太輔くんだけ……





私…………やっぱり太輔くんの事が好きなんだ!




本当の太輔くんが何だって構わない。


あの日の悲しそうな顔の太輔くん。

もうあんな顔は見たくない。






私は木村さんにメールをした。








"明日の夜、オアシスに行きます"






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