第1章 存在
太輔「はぁー………」
鏡を見ながら大きな溜息をつく。
渉「太輔、鏡見ながら溜息ついて、どうかした?」
宏光「何?髪きまらないとか?」
裕太「髪決まらないのは俺だって………(汗)宮田!前髪きまんない!」
俊哉「かっこいいよ♡」
裕太「宮田がいいなら、これでいいや♡」
鏡を見てるけど、鏡に俺は写らない。
いや、全く写らないわけではない。
意識を集中すると写る。
太輔「渉………どうして俺は人間じゃないんだろう………」
渉「えっ?いきなりどうした?」
俊哉「ガヤさん、人間になりたいの?」
健永「人間になってどうするの?」
高嗣「人間には、永遠の命がないんでしょ?」
裕太「俺、それは嫌かも………」
宏光「人間かぁ………」
俺達7人は、人間じゃない。
正体を隠して、人間の世界に紛れてる。
太輔「人間になるには、どうすれば………」
俺は頭を抱えた。
どうして俺は人間じゃないのだろう。
どうして彼女は人間なのだろう………
宏光「そんなに頭抱えなくても………」
裕太「俺達が人間になる事は、出来ないことだからねぇ」
俊哉「どうしようもないことだからね」
高嗣「それより仕事早く終わらせないと」
健永「あっ、日が昇っちゃう!」
宏光「え?もうそんな時間?」
渉「太輔………仕事しよ」
太輔「うん………」
俺達は夜しか動けない。
なぜなら………
俺達は…………ヴァンパイアだから………
俺の存在を気付かれたくない。
けど………俺の気持ちには気づいてほしい………
彼女を想えば思う程、そんな気持ちが大きくなっていった。