第2章 想い
「あの曲は『Smile』っていうんだね。だからかな………泣いたの」
太輔「…………」
「あの曲を聞いてたら、昔の事思い出して…………私、高校生の時に事故で両親亡くしてるんだ。それからずっとひとりで生きてきた」
思いがけないちゃんの告白に、俺達は誰ひとり言葉が出てこなかった。
「当時は毎日の様に泣いてた。どうして私だけがこんな辛い思いをしなければいけないのって考えてた。でも今は違うよ。太輔くんと出逢って、キスマイのみんなとも友達になれて……」
太輔「ちゃん……」
「あの曲を当時の私にも聞かせてあげたいなぁって思ったら涙が出てきたんだ」
そう言うと、ちゃんの頬を綺麗な涙が流れた。
太輔「♪君の笑顔でこれだけの人が笑ってるのに、一人じゃないと気づいて欲しいよ!♪」
キスマイ「♪いつかその涙も笑顔に変わる日が来るから、君にはずっと笑っていて欲しいよ!♪」
「みんな……」
涙をそっと拭いてあげると、ちゃんはニコッと笑った。
「太輔くん、みんな、こんな私だけど、これからよろしくね」
ちゃんはペコッとお辞儀をした。