第4章 小林君の欲情
「泣いてるんですか?」
上目遣いで見てくる小林に顔を背けると、ゆっくりと瑞希の顔に移動し、うっすらと汗で濡れているおでこ、涙で滲(にじ)んだ目、程よく上気した頬にキスを落とした。
舐められた場所がじんじんと熱い。
「…ハァ…、ハァ…ぐっ…!」
息を荒くして下から睨み付ける瑞希に、小林は不適な笑みを浮かべた。
小さく開いて一生懸命息を整えようとしている口に唇を合せながら、片方の手でブラジャーのホックを外し、もう片方の手でズボンのベルトに触れる。
「んんーっ!…んー!」
出来る限り足をばたつかせ、身をよじって抵抗するも所詮は男と女。力でかなう筈がないのだ。