第1章 ココアのように甘い貴方と
金曜日。
1週間働いた疲れを引きずって、退社する。
鞄からスマホを取り出すと愛しい彼からカトクが来ていた。
『"今日、先に家行ってるね。夜ご飯は俺が作っとくよ"』
「"ありがと!早く会いたい"」
思わずニヤけた頬を冷えた手で抑えた。
・
玄関の鍵を開けて家に入る。
「ただいま〜」
そう言ってリビングへ行くと、エプロンをつけたグクが私をハグして迎えてくれた。
『おかえり。お疲れ様、お風呂湧いてるから先に入ってて?』
「うん」
彼はとことん優しくて、私の疲れもすぐに飛んでいった。