第11章 同一人物
安「さっきから秘密が多いですね」
『わわわ、私はミステリアスな女なの!』
ひー、早くお家に着いて〜!
もう耐えられないよ!!
安「ミステリアスな女性…
非常に興味深いですね」
横で運転する安室さんの顔を見上げると
にこにこ微笑んでいた
こ、こわいよ!
この人は危険な大人だ!
私の周りは悪い大人に危険な大人に…
どうしよう。身の安全を確保しなきゃ!
安「…これだけ教えてくれるかい?」
『なに?』
安「名前ちゃんの苗字は沖矢ではない」
大変です。
心臓が口から飛び出しそうです。
安「沖矢と名乗ったのは沖矢昴に
そう言われたから…だろう?」
私は下を向いて黙り込んだ
もう限界です。
少し下がった熱がまた上がりそうです。
安「黙り込んでいるという事は
肯定を意味する…ですよね?」
何者なんだ、安室さん!
お巡りさんか!そうなのか!?
あ、一応毛利のおじさまの助手か。
お巡りさんじゃなくて探偵か〜!くそー!
私の負けだぁ…。
『そ、そうだよ…、私は沖矢じゃないよ。
ももも、もうこれ以上
何も教えないからね!
何か聞くと嫌いになっちゃうからね!』
安「ふっ……という事は
沖矢昴はただの同居人
赤井が変装している可能性が
高くなりましたね」
心臓が痛い。
安「あ、そうだ
沖矢昴の変装を見破る方法を
教えてあげます」
私は複雑な気持ちでいた
同一人物かどうか
確かめたい好奇心と
別人であってほしいという気持ちが
入り混ざっていたのだ
安室さんは続けて言葉を発した
安「沖矢昴の首に
変声機が付いているはずです
僕は名前ちゃんに
それを確認して欲しい」
『首に…』
確かに沖矢さんはいつも
ハイネックの服を着ている
変声機というものを
隠す為に着ているとしたら
同一人物の可能性が
どんどん高くなっていく
安「これは名前ちゃんにしか
出来ない事なんだ。
確かめてくれるかい?」
『…わかった』
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