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届かないとしても

第3章 大嫌い!


…………で。
どうして私は生意気野郎にこんなにしばかれているんだ?
しかもよりによって私の部屋で。リビングで良いだろう。

「また間違えてる」

「えっどこ」

「ここだよ。さっきもこの公式使うって言っただろ。本当に物覚え悪いな。部屋散らかってたし」

「今日は遅刻しそうで急いでたから仕方ないでしょ!それに片付けたじゃない!」

「だいたい部屋は関係ないでしょ。そんなに文句言うならリビングで勉強したら良いのに、なんでわざわざ私の部屋なのよ」

「別に、優の部屋がどれだけ散らかってるのかなってな」

「何よそれ、失礼ね。いつもは綺麗よ」

「どうだか」



あれ?話脱線してない?勉強は?
赤点取ったら私の家に雷が落ちるわ。勉強勉強

「ほら、さっさと教えてよ」

「言い方」


この野郎また言わせる気か
こうなればもうやけくそだ。テストが終わったら痛い目見せてやる。

「お!し!え!て!く!だ!さ!い!」

「なんだよその言い方」


………うわ。びっくりした。
そんな顔もするんだ。
いつもは意地の悪い表情が、なんだかかっこよく見えた。

「何、マヌケ顔見せてる暇あるなら問題解け」


「………………」

前言撤回。こいつやっぱり意地悪だ。
かっこいいとか思ったの無し!気の所為!

というか勉強を教えてるとは言え年上に向かってなんて言い方だ。
こいつは年上の敬い方を勉強した方が良いぞ。

「ほら、問3」

「わかってる!」

「何がわかってるって?公式から違うだろ」

「え」



そこからまた数時間、尻だたきされるように公式を頭に詰め込まれた。
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