LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第18章 《及川》バレンタインデー・キッス
「ねぇ、ナギ!お願い!ほんと!これ、渡しておいて!…じゃ!」
「え、ちょっと…!」
私の手には、いくつものチョコレートが抱えられていた。
うーん…。
今年、青葉城西に入学してバレーボール部のマネージャーになった。
ケガをして、プレーができなくなってしまったから、せめてマネージャーをと思って。
でも、この2月14日は地獄だと思った。ほんとに。
バレー部のアイドルみたいな存在の及川先輩。
私の学年の子たちは、女の先輩の目が怖いから、と私に渡してくれ…と…。
本当に困ったものです。
及川先輩のファンは、そんなに怖くないんだけどな。
部活では、
「みんな、ありがとう!」
…と、いつものテンションで、チョコレートをもらう及川先輩の姿。
それが実は、ちょっと、ちょっとだけだよ?切なかったりする。
及川先輩が岩泉先輩に引っ張られる姿を横目に、私は部活動の準備をしていた。
さて、…いつ渡そうか。