LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第14章 《影山》いつでも君のそばに
『……やま…影…山…』
前の席で気持ちよく眠る影山の背中を
シャーペンで突っついては小声で呼ぶ
もう…そろそろ起きないと
先生に見つかっちゃうよ…
思わずシャーペンを持つ手に力が入り
強めに突いてしまう…
「…いっ…てっ…」
静かな教室に影山の叫び声にも似た声が響く…
「影山ぁ…私の授業で居眠りとはいい度胸だな…」
『…なんか…ごめん…私のせいで…』
強引に起こそうとした事で
目の前の影山は必死に課題に取り組んでいて
ものスゴく申し訳ない気持ちになる…
「……」
『無言になんないでよ…』
小さく呟けば影山は別に怒ってねぇから
謝んなと目線を変えないまま答える…
『…うん』
小さい頃と変わらない優しさにキュンとしてしまう
「早くやらねぇと部活間に合わねえぞ…
ナギだって部活…あっ…いや…悪い…」
焦って謝る影山にブンブンと頭を振って俯く
頬が熱い…
無意識でも久々に呼ばれた名前に
身体が熱くなるのは暖房のせいだけではなくて
ヤバい…緊張する…
今さらながら二人きりのこの空間に
ドキドキで胸が締め付けられる…
ねぇ…私だけがこんなにドキドキしてるの?
なんてね…
影山が私の事…特別に見てる訳ないのに…
落ち着け私…
だいたいそれを望んだのは私なんだから…