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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第12章 《影山》sweet sweet kiss.




「これじゃあ、どっちがチョコ貰うんだか分からないよ」
「バレンタインってそーゆー日だろ」
「え?」
「好きな人に思いを伝える日だろ?」

学ランのポケットから何かを取り出した彼は、繋いでいた手を一旦離すと、キャンディにも見える包み紙の両端を指先で摘んで、目の前でクルクルと回して開いた。
中には一口大のチョコトリュフ。それを、長い指先で摘み上げると、私の唇に押し当てる。

「ん!」

おずおずと口を開くと少し強引にチョコを押し込んだ彼の指先が、微かに唇に触れて頬が熱くなる。

「美味い……か?」

驚きのあまり、首を縦に振ることしかできない私を見つめながら、大きな手が頬に触れる。

「顔真っ赤」

クスっと彼の唇が弧を描いた次の瞬間には、目の前で黒髪が揺れて、柔らかな感触が唇に重なった。
影山くんとの初めてのキス。
不意打ちのキスに恥ずかしさと嬉しさで、顔を上げられずに居ると、顔を覗き込むように間近に迫る彼は照れること無く,
未だ渡せていないチョコを催促する。

「2回目はナギのチョコで」

今日は不器用な彼がくれた、世界一甘いバレンタインデー。


END.

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