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LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第12章 《影山》sweet sweet kiss.



「影山もう帰んの?」
「あー」
「何で?もうちょっと練習しよう!」
「いや、今日はムリ」

バレーが大事で、持てる時間の殆どをバレーに注ぎ込んでも、文句一つ言わないアイツとの約束の為に、一日……いや数時間割いたくらいで、神様はこの手からバレーを奪ったりはしない。
少し大げさな考えかもしれないけど、俺は物事を複雑に考えるのも苦手だし器用じゃない。
付き合っても、普通の恋人同士みたいな事はしてやれないし、バレーの事ばかりだからきっと嫌になると言ったのに、そんな俺だから良いのだと言われた時、なぜか少しだけ体が軽くなった気がした。

「はっはぁ〜ん……さては影山、デートだな」
「えっ?!田中さん、ホントですか?」
「今日はバレンタインだからな!俺だってチョコの一つや二つ……」
「うぉー!!ノヤさんかっけー!!」

勝手に盛り上がっていく会話を聞き流しながら、体育館を出て部室で着替えを済ませると、待ち合わせ場所にしていた校門にアイツが立っていた。


「悪かったな、遅くなって」
「約束してた時間よりまだ早いし、そんなに待ってないから大丈夫」

たまには文句の一つぐらい言ってくれればいいのに、と思うことがどれだけ矛盾しているかは分かっているつもりだし、それを言われたところでどうする事も出来ないのは百も承知だけど、たまには彼氏らしい事もしてみたい。そう思うようになったのは何故だか、自分でも分からない。
ただ、一つだけ言えるのは、笑った顔が見たいと思うようになった事。

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