LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第11章 《及川》セカンドキス
無意識に伸ばした手は、ナギの白い頬を包む。ゆっくり近付く二人の距離にナギの瞳は大きく揺れて、その距離がわずか数センチになってもナギの視線は俺から逸らすことなく真っ直ぐ向けられている。
「俺が、その言葉とチョコをどれほど待っていたか分かってる?」
「――?!?!」
ナギが何も紡げなかったのは俺の唇が、その柔らかな唇を塞いだから。
ファーストキスと呼ぶには幼過ぎた俺たちのセカンドキスは、十年以上経った今、正真正銘恋人同士のキスに変わる。重ね合った唇をゆっくり離すと、俺は小さな体をそのままそっと抱き寄せた。
「バレンタインなんて嫌いな日だったのに、大切な日になった責任は取ってもらうよ」
恋人としてチョコレートを貰った日は、俺たちが恋人として初めてキスを交わした日。
END.