• テキストサイズ

LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜

第8章  《茂庭》恋の始まりはすれ違いから



……告白が成功したら、なんて考えるとまた胸が痛んだけど、目の前で泣いてる小鳥遊さんが幸せになるなら、それでいいって、思った。

「……本当に?」
「うん……素直に、気持ちを伝えてみなよ。……小鳥遊さんの好きなやつなら、きっと、チョコが無くても気持ちを受け取ってくれると思う」

彼女が想うような相手なら、きっといいやつに違いないから。
……やっぱり確証なんて何もないんだけど。

俺の言葉に、小鳥遊さんは何事か考えこみ始めた。
涙はいつの間にか、止まっていた。

「……好き、です。私の気持ち、受け取ってくれますか?」

潤んだ瞳で見つめられたら、たまらなかった。
こんな告白を受けない男がいるだろうか。

この世のどこかに、彼女にこんな愛の告白をされるやつがいるのかと思うと、遠くから何か投げつけてやりたい気分になった。

「うん……率直でいいと思う。…誰に言うのか知らないけど、成功するように祈ってる」

「……え……?」

小鳥遊さんの表情が、先ほどまでとうって変わって、キョトンとした表情になった。

あれ?
俺なんか変なこと言ったかな?
上から目線すぎた???

「あー…すみません」

コホンと咳ばらいをひとつして、滑津が「差し出がましいようですが」と口を挟んだ。

「茂庭先輩、彼女は先輩に言ってるんですよ」
「……は? 俺?」

滑津の指摘に頭が真っ白になる。
困惑しつつも、小鳥遊さんの顔を見ると、彼女もこくりと頷いた。

「え、ええーっ?! お、俺?!?」

思わず大きな声で驚いてしまった俺に、滑津が呆れた顔でため息をついた。

「いや、気付くでしょう普通……。だって、小鳥遊さん必死に茂庭先輩のこと呼んでたでしょ? あの様子で分かりません?」

さっきの光景を思い出してみれば、確かに滑津の言う通りだ。
小鳥遊さんは俺を大声で呼び止めていたし、俺の元に駆けて来ようとしていた。

あれ。
じゃあ。
小鳥遊さんの好きなやつって……

「俺?!?」

自分を指さして聞くと、小鳥遊さんは深く頷いてくれた。

/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp