LOVE*CHOCO*KISS‼︎ 〜HQバレンタイン企画〜
第5章 《白布》君にチョコを渡す方法
「ンッ…ちょ、賢二郎…」
「お前、俺のものだって自覚あんのかよ。」
力が抜け、ストンと膝から崩れ落ちた私の体を賢二郎はそのまま床に押し倒し馬乗りになった。サラリと切り揃えられた前髪の隙間から覗く瞳は先程よりはいくらか優しく感じる。
「俺は、お前がくれんならチョコでもクッキーでもアメでもなんでも嬉しい。…まぁ、美味ければな。」
そう言うと、彼は私の手から紙袋を奪い取り、ラッピングされた包みを開けた。「ふつうに美味そうじゃん」そう呟くと、昨晩頑張って作ったカップケーキにかぷりとかじりつき、そのまま二口三口頬張ってゴクリと喉を鳴らし、口を開いた。
「…ナギ、料理上手いんだな。」
マウントを取られた状態でデレられて、若干複雑な心境ではあるが、彼が珍しく少し照れ気味にこぼした言葉があまりに嬉しくて、一緒になって頬を染めた。
「よかった。あの、賢二郎、もうそろそろ降りて?」
「は?何言ってんだよ、これからじゃん。しっかり俺のだって体にわからせてやる。」
両方のほっぺたをムニッと掴み、私の王子様は意地悪く微笑んだ。
fin.